エムズ通信 Aimss Journal

ナイチンゲールは建築家!?

施工現場日誌

ナイチンゲールといえば、

誰もが知っている看護師ですよね。

イギリスの看護師、フローレンス・ナイチンゲール(1820~1910)は、

病人の看護に使命感を抱き続けており、

31歳の頃、当時は「不潔で不道徳で無知」

とされていた看護の世界に身を投じます。

クリミア戦争(1853~1856)ではイギリス軍の野戦病院に赴き、

科学的根拠に基づいた看護を実践しました。

そのためイギリス軍の死亡率を激減させ、英雄になります。

統計学を用いて看護の成果を分析し、実践に活かしました。

看護を初めて科学的にとらえた人物で、「近代看護の祖」と呼ばれています。

 

 

今も世界中の看護養成学校のバイブルと継承されている書「看護覚え書」。

このフローレンス・ナイチンゲール(1820~1910)の書、「看護覚え書」は

今から160年前に書かれました。

ここに、住宅建築にも通じる「健康と建築」の話が載っています。

以下、文中より、

 

「清浄な空気」

清浄な空気を採り入れるには、住宅の構造そのものが、

外気が家の隅々にまで容易に入ってくるようになっていなくてはならない。

建築業者たちは、まず絶対にこのことを考慮しない。

彼らが家を建てる目的は、あくまでも投資する資金に対して最大の利潤をあげるところにあって、

居住者の医療費を安くするところにはないからである。

しかし、もし居住者たちがもっと賢くなって、

非健康的な構造の住宅に住むことを拒むようにでもなれば、

また生命保険会社が会社の利益をよくよく考えたすえ、

衛生調査員を雇ってお得意様たちの家を調査する制度を採用するようなことにでもなれば、

儲けに聡い建築業者たちは、たちまち正気にもどるであろうに。

・・・・・・

中略

・・・・・・

建築構造に欠陥のある住居は健康な人間を害する。

家の中の空気の沈滞(よどみ)が保証つきとなると、

その当然の結果として、病気の発生もまた保証つきとなる。

 

 

看護とともに当時の病院建築にも偉大な貢献をしたナイチンゲール。 

この本は今にも通じる“家づくり”に大切なことがたくさん書かれています。

 

 

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