こんにちは、スタッフの吉田です。
今回の設計ブログでは、階段の快適な寸法についてご紹介したいと思います。
私の実家には、壁に手をつかないと下りるのが怖いくらい急な階段があります。母がこれを毎日上り下りしているので、いつか踏み外すのではないかとヒヤヒヤすることもあります。
また、どこかの飲食店で「ちょっと急だな…」と感じる階段に出会ったり、逆に「歩幅と合わなくて上りにくい」と思うような妙に緩やかすぎる階段に出会うこともあります。
その違いは、実は 蹴上げ(段の高さ) と 踏面(足を乗せる奥行き) の寸法バランスにあるのです。

●建築基準法と実生活のギャップ
①蹴上げ(高さ):法律では23cm以下と定められています。
ただし23cmはやや急で、日常的には18〜20cm程度が快適とされています。
②踏面(奥行き):最低15cm以上が基準。
しかし安心して足を乗せるには22〜24cmほどあると歩きやすいです。
③階段幅:基準は75cm以上。
余裕を持たせるなら80〜90cm程度が理想で、家具の搬入やすれ違いにも便利です。

●階段の黄金比
階段設計の目安としてよく知られる式があります。
「2R+T=60」
Rは蹴上、Tは踏み面です。
例えば蹴上げ18cm × 2 + 踏面24cm = 60cm。
このバランスが人の歩幅に合い、自然に昇り降りできる階段になります。
●快適さを高める工夫
弊社では、蹴上げを18〜19cm、踏み面を23〜24cmとすることを基本としております。
この寸法は建築基準法を満たすだけでなく、歩きやすさや安全性に配慮した設計であり、日常的に安心してご利用いただける階段づくりを目指しています

ただし、安全性を重視すればするほど踏面は長くなり、蹴上げを低くするため段数が増えます。
そうすると階段スペースが広がり空間を圧迫することもあります。逆に省スペースを優先すれば階段は急になります。

どちらを優先すべきか迷う場合もありますが、たとえば、二階への昇降が毎日の生活動線であれば安全性を優先し、ゆったりした階段とすべきでしょう。
一方、一階完結型の間取りなど、二階への動線がたまにしかないのであれば省スペース性を重視して、階段スペースを有効に間取りに組み込むほうが良いでしょう。
このように、生活スタイルや年齢層に合わせて臨機応変に設計することが大切です。
毎日の暮らしが快適になる階段づくりのヒントとして、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。



