こんにちは、スタッフの吉田です。
「障子」と聞いて、みなさまはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。
旅館のような趣のある和風建築であったり、幼いころに訪れた祖父母の家であったり。
落ち着くけれど「和風」という印象が強いですよね。
ですがこの障子、デザインによってはモダンな北欧テイストなどのデザインにも柔らかい和の趣がとてもマッチして映えるんです。
今回は、日本の伝統美、「障子」とその魅力について、解説したいと思います。

●「障子」の魅力
遮断せずに、空間をさりげなく仕切る障子の奥深さは、日本の伝統的な生活様式の中で長年親しまれてきました。
近年、他の建具にはない「やわらかく空間を仕切る」障子の魅力が、インテリア業界でも注目を集めています。
① デザインの多様性が魅力
障子は、その木枠の組み方や障子紙の選び方次第で、無限のデザインを楽しめる建具です。
シンプルな構造だからこそ、素材の質感を活かしたり、遊び心を加えたりすることで、個性を引き出すことができます。
② やわらかく空間を仕切る役割
障子の魅力のひとつは、障子紙のやさしい質感を通して光を届けながら、空間を柔らかく仕切ること。
閉じた障子に映る庭木の影が、外とのつながりを感じさせるなど、ただの仕切り以上の奥深い魅力があります。
③ 和の趣を楽しむ
障子は日本ならではの建具で、インテリアに取り入れるだけで和の雰囲気を際立たせます。
最近は異なるテイストを組み合わせるミックススタイルが人気。例えば、モダンな空間に障子を加えることで、洗練された和モダンのインテリアが完成します。
●デザインいろいろ。障子の種類
障子の部位の名称
障子は、木の枠の内側に繊細な組子を施し、背面に和紙を貼ったシンプルな建具です。
上桟や下桟の配置、竪框とのバランスによって印象が変わり、空間に合わせたデザインが楽しめます。
雨などで傷みやすい下部に板を入れた障子が「腰付障子(こしつきしょうじ)」です。
和のテイストが強いため、風格を感じさせる伝統的な和室に合います。
②「水腰障子」
腰の部分に板を付けず、全面に紙を貼った障子を「水腰障子(みずこししょうじ)」といいます。
現在はサッシ窓の室内側に障子を入れるため、「水腰障子」が一般的です。
③「荒組障子」
水腰障子の中でも、組子の間隔が広めに取られた障子は、「荒組障子(あらぐみしょうじ)」と呼ばれます。
このデザインは、モダンなインテリアにも自然になじむため、最近の住宅でも人気です。
「荒間障子」や「大間障子」とも呼ばれ、竪横の組子のゆったりとした配置が、洗練された空間づくりに役立ちます。
●「障子紙」の素材
障子紙の魅力と選び方
障子紙には、昔から和紙がよく使われています。濡れた状態だと破れやすいですが、乾いていると意外と丈夫なのが特徴です。
かつては年末の大掃除の定番として「障子の貼り替え」が行われていましたが、最近ではあまり見かけなくなりましたね。
和紙ならではの風合いや趣は魅力的ですが、最近の家づくりでは、破れにくさや燃えにくさといった機能性を重視することも増えています。そのため、樹脂をベースにした障子紙を選ぶケースもあります。
例えば、エムズでは耐久性を考慮し、和紙ではなく「ワーロン」と呼ばれるアクリル樹脂板を採用することもあります。
ワーロンは、和紙の柔らかい風合いや独特の質感を活かしつつ、破れやすい・汚れやすい・燃えやすいといった紙の弱点を克服した材料です。とても美しいので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
●障子の魅力を暮らしに
今回、障子の魅力についてお話しました。
障子は、日本らしさを主張しすぎることなく、さりげなく空間に馴染むデザイン。
その普遍性が、北欧インテリアなどのモダンなスタイルとも相性抜群です。
家づくりを考えている方は、柔らかな光を届けてくれる日本の伝統美、「障子」をぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。