エムズ通信 Aimss Journal

天井は高いほうがいい?②

施工現場日誌

こんにちは、スタッフの吉田です。

前回のブログでは天井を高くすることによるメリットとデメリットをご紹介いたしました。

開放感がある高い天井にも憧れますが、では低い天井だとどのように感じられるのでしょうか。

今日は天井を低くすることで得られるメリットをお伝えしたいと思います。

 

①奥行が出て広く感じる

天井が低いと圧迫感があって狭く感じる、、、と思いますよね。

ですが実は、天井が低いと空間が広く感じられます。

もちろんただ低いだけでは圧迫感があります。そもそも、天井が高いと広く感じるのは上に視線が抜けるから。つまり視線が抜けることで空間の広さを感じるということです。

一方、天井が低い部屋でも、壁に大きな掃き出し窓を設けると、視線が抜け、天井が水平に伸びていくように感じ奥行が出ます。そのため上に開放的な部屋よりも広く感じるということです。

意外かもしれませんが、天井がただ高ければ広く見えるという訳ではないんですね。

 

 

また、「天井は低い方が落ち着いてキレイに見える」と感じる建築家は多くいます。

特に和室などは座ることを前提に作られた空間なので、天井が高すぎるとバランスが悪く見えてしまいます。

そのため小上がりにした分、天井が低くなっている和室が多いのも頷けますし、実際に和室に座ってみると天井が低い方が落ち着くことが分かります。

住宅設計でその名を知らない人はいない宮脇檀さんや吉村順三さんも、天井高を低く抑えた名作を世に多く残しています。

最近では建築家の伊礼智さんが標準の天井高を221.5㎝に、時には部屋として1番低い高さの210㎝に設定して、とても素敵な家を作られています。

 

写真:伊礼さんが設計した「守谷の家」引用

天井高が210㎝とは思えないくらい空間に広がりがありますね。

もちろん、天井高を低くすることで圧迫感も出やすくなってしまうので、視線が抜ける場所をつくって圧迫感を減らす工夫がなされています。

写真にあるように、壁の真ん中に窓を設けるのではなく、壁からひと続きで外までスッと抜けることで空間の広がりが生まれているなど、家の見え方、バランスについて配慮されているのがよく分かります。

「守谷」の家のポイント↓

 

 

②下がり天井はメリハリが出る

天井高は上げるだけでなく、敢えて低い場所をつくることで空間にメリハリをつけてアクセントにするという方法もあります。

旧帝国ホテルの設計などで知られる名建築家フランク・ロイド・ライトも、天井の低い空間を効果的に取り入れて、より広がりを感じられるような空間設計をしています。

玄関などのエントランスはあえて天井を低くつくり、そこから続くホールやリビングの天井高を上げる「トンネル効果」によって、開放感や広さを感じさせる技法をつかっているんです。

このトンネル効果で、天井が低い部分と高い部分と対比させてさらに広がりを感じられるようになります。

また天井高が低い場所だけ、高さだけではなく仕上げを変えてあげると、よりメリハリがつくようになりますよ。

 

以上、天井を低くするメリットをご紹介しました。

天井が低い部屋は水平ラインに奥行が出て広がりが感じられる一方で、圧迫感の無いように視線の抜けに配慮し、背の低い家具を配置するなど工夫が必要となります。

部屋の天井の高さは家づくりをする上であまり気にしない部分だと思いますが、ぜひこちらを参考にして、広がりある空間を計画していただけたら嬉しいです(^^♪

 

YouTube「お施主様インタビュー」はこちら↓

お施主様からのお手紙やインタビューはこちら↓

施工例はこちら↓

Follow Us Instagram↓