こんにちは、スタッフの吉田です。
今日は、築浅で雨漏りをしてしまった大変な記事を見たので、
その事例をもとに、対策方法をお伝えしたいと思います!(日建ハウジングさん引用)
まずはこちらの事例の写真、なんと竣工6年という築浅の状態で雨漏りが発生したそうです。
軒先から雨水が入り、屋根の下地材(野地板)までぼろぼろの状態まで腐朽してしまっています。
この原因はまず軒先の雨仕舞の施工が悪いこともありますが、問題は、
屋根勾配が0.5寸(3.0度)しかないこと
です。3度しかない斜面に水をポタポタポタと垂らした時を想像してください。
ほとんどの水が滞留しますよね。
そのため、雨水は軒先に滞留してしまい、そこから伝ってルーフィング(防水層)の内側に入ってしまいました。
フラットな屋根や緩勾配の屋根はスタイリッシュで人気のスタイルではありますが、
勾配が緩くなればなるほど、雨漏りのリスクは高くなります。
ご参考までに、雨漏りのリスクを考慮した基準がありますのでご紹介します。
屋根材の最低勾配
- 金属屋根:1寸勾配以上(1/10以上・6.3度以上)
- スレート屋根:3寸勾配以上(3/10以上・16.7度以上)
- 瓦屋根:4寸勾配以上(4/10以上・21.8度以上)※低勾配対応の瓦あり
この基準値を下回ると、雨漏りや吹き上げなどの問題が発生する可能性が出てきます。
必ず必要最低勾配は守り、できれば安全側をとって+0.5寸は欲しいところです。
勾配に合わせて適切な部材を適切な施工で行い、基準の必要最低勾配は、守るようにすることが大切です。
続いて、ここまで腐朽してしまったもう一つの原因がこちらです。
断熱材と野地板の間に隙間がないこと。
屋根断熱であれば必ず通気層を設けなければなりません。(天井断熱であれば小屋裏換気口)
侵入した雨水が断熱材に吸水され、湿気がこもり、腐朽を促してしまったのです。
正しい施工法として、エムズでの仕様を参考に載せてみます。
こちら野地板の施工途中の写真ですが、このように断熱材との隙間が3センチ空いていることがわかります。
この隙間のおかげで地面から壁、壁から屋根と空気が循環し、湿気を逃がしてくれます。
万が一、屋根から雨水が入ったとしても、密着している施工に比べると被害も最小に収まります。
ほかにも空気層は断熱の役割も果たしているので、この仕様は施工上とても大切なポイントです。
今から新築をお考えの方にも、新築間もなく雨漏りしてしまった!なんてことが無いよう、
ご紹介した2つのポイントを今後にお役立ていただけたらと思います。