こんにちは、スタッフの吉田です。
「型(かた)ガラス」
という言葉を聞いたことはありますか?
恥ずかしながら、私は建築に携わるまでは知りませんでした!
では、「すりガラス」はどうでしょうか。何となく曇ったガラスのイメージが浮かぶのではないでしょうか。
よく似ていて混同しやすいのですが、
「すりガラス」は、砂状の物質で表面に傷をつけて不透明の状態にしたガラス。
一方、「型ガラス」はすりガラスと似ていますが厳密には別の物で、透明ガラスの片面に型で凸凹(デコボコ)とした模様をつけたものになります。
現在の住宅に置いては、「透明ガラス」とこの「型ガラス」を使うのが一般的となっています。
そこで今回は、「透明ガラス」と「型ガラス」の特徴を紹介するとともに、そのガラスをどこに使用するべきなのかをご紹介したいと思います。
●透明ガラスと型ガラスの違いとは
透明ガラス…その名の通り透明のガラスで外がよく見えるガラスのこと
型ガラス…ガラスの表面が凸凹していて外側が見えにくくなっているガラスのこと
型ガラスとはこのようなガラスです。
型ガラスの表面にある無数のでこぼこによって、家の中や別の部屋の様子をもやもやとさせて隠す事ができるため、プライバシーを守ることに繋がります。
●メリットの違い
①透過度
透過度は当たり前ですが透明ガラスのほうが高くなります。
透き通るガラスは涼やかで景色を美しく見せてくれるため、部屋に奥行が生まれ広く感じます。
しかし一方で、外からも見えやすくなり、人通りがあるところだと視線が気になることもあります。
型ガラスはぼんやりとシルエットがわかる程度に透過します。
昼間は光の反射でほとんど気になりませんが、夜は中が明るいため、型ガラスといえど近くに立つとシルエットが見えます。
②日光の入り方
透明ガラスは直射日光が入り、寒い冬の蓄熱にも最適です。
型ガラスは方面の凹凸によって光が拡散するのでわずかに光を遮る効果があり、透明ガラスよりも柔らかい光を家の中に取り入れることが可能です。
③存在感
型ガラスは凹凸の形が表面にあるため、その無数の凹凸の点々が曇っているように見えます。その分存在感も増し、さらに向こう側が見えなくなることで奥行もなくなるためガラスそのものに目線がぶつかります。そのため窓自体の存在感が出てきます。
④汚れ
型ガラスは透明ガラスよりも汚れが目立ちにくいため、清潔感を演出する事ができます。
お手入れが困難なところ、雨や汚れが付きやすいところは型ガラスを使用することをおススメします。
⑤カーテンの有無
型ガラスにすると目線が気になりにくくなるため、カーテンを付けないという選択もできます。
夜は光が透過するのでほとんどの場合にカーテンを付けますが、人が通らない高窓などであれば無くしても問題ないでしょう。
私の自宅でも、階段ホールと洗面室にある高窓は型ガラスにしてカーテンを取り付けておりませんが、大通りに面していないため特に夜も気になりません。
いちいちカーテンを開けずとも朝日が入るので、早朝もとても爽やかでおすすめですよ。
また、細長い窓はカーテンやブラインドを付けると見た目がうるさくなってしまうケースも多く、外から見える恐れがあるなら透明ガラスは避けておく方が使いやすいと言えます。
●どこに使う?
基本的には、外が見たい場所は透明ガラス、外から見られたくない窓は型ガラスというように使い分けることになります。
①透明ガラスを使うケース
庭に面したリビングの窓など、眺めの良い場所に採用します。
透明ガラスの透き通る涼やかな印象は家の中の広がりを大きく見せてくれるため、その効果は外からの目線よりも優先したいところです。
外から丸見えでは落ち着かない…となる場合は、その先に目隠しを取り付けたり、植栽で遮ることをお勧めします。
先程のメリットでもありました、高窓の場合です。
1階でも確実に視界が抜けるケースであれば高窓にして透明ガラスにすることもできます。
視界が外に抜けることで水回りが広く見える効果と、明るい水回りにすることができます。

②型ガラスを使うケース
型ガラスは基本的に丸見えだと困る場所やすぐ近くにお隣の窓がある場合は型ガラスを使うことになります。
また、お隣さんの窓のすぐ側に透明ガラスを付けてしまうとお隣さんへの影響も出てしまうので、型ガラスにしておくのが基本となります。
ですが型ガラスだからと言っても外から全く見えない訳ではなく、夜に部屋の明かりを付けると型ガラスにシルエットが浮かんでしまうこともあります。
型ガラスだからプライバシーが万全という訳ではなく、近隣環境に合わせた窓の配置が必須となってきます。
今回は型ガラスと透明ガラスについてご紹介してみました。
家の中から外がどのように見えるというのは気になりやすいものですが、家の外から家の中がどのように見えるかというのは意外と見落としやすいポイントです。
以上のことを踏まえながら、上手くガラスを選んで心地よい空間を作っていきたいですね(^^♪