こんにちは、スタッフの吉田です。
最近、外壁に杉の板張りをしている住宅を見かけました。
外壁に木部を取り入れると、アクセントになったり、柔らかい表情がでて素敵ですよね。
木材ならではの風合いや質感は唯一無二の美しさです。
弊社でも、外壁や軒裏に木部を用いることが多く、お客様からも「外壁に板を貼りたい」をいうご要望をいただくこともございます。
さまざまな場所に取り入れたい素材ではありますが、外回りに使用するとなると、どうしても耐久性やメンテナンスが気になるところ…。
今回の設計ブログでは、外部木部の魅力と注意点、そして素材選びの工夫についてご紹介します。
●外部に木部を使用する魅力
①風合いと調和
木材は周囲の緑や空と自然に馴染み、無機質になりがちな外構に柔らかさを添えてくれます。
その柔らかさは塗り壁の穏やかな風合いともマッチします。
板貼りやポーチ柱に木部を入れると
木の自然な質感と対比してガルバなどの金属板、無機質な素材と掛け合わせるのも個性が出ておしゃれですね。


②経年変化の味わい
時を重ねるごとに色味や質感が変化し、住まいの「成長」を感じられるのも天然木ならではの魅力です。
たとえば、寺社仏閣や古民家など、歴史的な建造物に見られる木の艶や色の深みは、長い年月を経てこそ生まれるもの。
新築時の清々しさから、年月を経て醸し出される落ち着きや風格になります。
●注意点
自然素材の木部を外部に用いる場合、定期的な手入れ
「数年ごとの塗装や防腐処理。汚れやカビの除去」が欠かせません。
こうしたメンテナンスを重ねることで、木部は住まいと共に育つ「風景」としての価値を持ち続けます。
つまり外部に自然な木部を取り入れる場合はメンテナンスが必須となってくるということです。
自然な風合いがいいな、と思っても数年でみすぼらしく木部が腐朽してしまっては悲しいですよね。

●設計時の工夫
メンテナンスを極力減らして長持ちさせるためには、設計時の工夫が必要です。
例えば、
①雨がかからない位置に使用。
軒天のように、雨がかからない位置であれば比較的長持ちします。
色味が褪せてしまったとしても黒く腐ることはないため、年月を経て落ち着きある外観へと変わっていきます。

②外壁は軒を深くして一階のみに。
外壁装飾などの木部には、軒を深く設けることで直接雨が当たる頻度を減らし、劣化や変色を防ぐ効果があります。
大切なのは、何十年後にも再塗装ができるように一階の手が届く範囲に使用することです。
メンテナンスがしやすいように使用位置を限定する工夫が必要です。

③用途に応じた材種選び
他にも、外構ではウッドデッキやフェンスに木部を使用することもあります。
ウッドデッキには弊社はセラガンバツという非常に硬く、緻密では耐水性・耐久性の高い樹種を使用しています。
天然木で作られたウッドデッキの風合いは非常に味わい深く魅力的です。
しかし、それでもメンテナンスや耐久性の面で不安を感じる方には、樹脂製(人工木)デッキもおすすめです。
特に軒がかかっていない(屋根が無い)ウッドデッキは樹脂製やタイルデッキにすると良いでしょう。
雨や紫外線に強く、ささくれや反りが起こりにくいという利点は樹脂製にはかないません。
同じく、フェンスもほとんどの場合は雨ざらしになる位置にあります。
木部の板張りフェンスはメンテナンスが必須となることを考慮して検討をおすすめします。

以上、外部に木部を設ける魅力と注意点についてご紹介しました。
外部に関しては木部を自然素材にするのか、樹脂製にするのか、金属アルミにするのか、私もいつも設計時に迷う部分であります。
今後も、住まい手のライフスタイルに寄り添いながら、木の美しさが活きる設計を心がけていきたいと思います。
みなさまの外構や外部まわりの計画に、少しでもお役に立てば幸いです。



